あつかうもの別:香料
- natsuko-saito
- 7 時間前
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香料は、日用品のほとんどに入っています。シャンプー、洗剤、柔軟剤、化粧品、ハンドクリーム、消毒薬、そして仕事で使う洗浄剤や保護クリームにも。
だからこそ、かぶれの原因としては見つけにくい相手です。
【「無香料」と書いてあっても油断はできません】
香料は、ひとつの物質ではありません。数千種類ある成分の総称です。
日本では、化粧品の表示は「香料」の一語でまとめることが認められています。つまり成分表示を見ても、何が入っているかは分からないのが実情です。
また「無香料」は、香りを付けていないという意味であって、においを消すための成分(マスキング剤)が入っていることがあります。
【空気に触れると、かぶれやすくなる成分があります】
近年とくに注目されているのが、リナロールとリモネンです。
・リナロール:ラベンダーなどに含まれる、爽やかな香りの成分
・リモネン:柑橘系の香りの成分
どちらも、それ自体はアレルギーを起こしにくい成分です。ところが空気に触れて酸化すると、強いアレルギーの原因に変わります。
開封してから時間が経った製品、詰め替えて長く使っている容器では、この酸化が進んでいる可能性があります。「前は平気だったのに」という変化の一因になり得ます。
【天然・オーガニックだから安全、ではありません】
精油やアロマオイルは天然由来ですが、天然であることと、かぶれにくいことは別です。
むしろペルーバルサム、クローブ油、レモングラス、ジャスミンなど、植物由来の香り成分にはアレルギーを起こしやすいものが少なくありません。ドイツの職業用皮膚保護剤のガイドラインでも、これらは「保護剤に使うべきでない成分」として名前が挙がっています。
【仕事で香料に触れる人】
自分で香りを使う仕事はもちろん、そうでない職種でも曝露します。
・エステティシャン、アロマセラピスト、マッサージ業(タイのスパ施術者を調べた研究では、職業性接触皮膚炎の原因として精油が挙がっています)
・美容師(シャンプー、パーマ液、カラー剤)
・清掃業、介護職(洗剤、柔軟剤、消臭剤)
・飲食業(洗浄剤)
・医療職(手指消毒薬、ハンドクリーム)
手が荒れている状態で香料に触れると、感作が成立しやすくなります。荒れた皮膚にいい香りのハンドクリームを塗り続けるのは、実はリスクのある行為です。
【調べ方】
パッチテストでは、代表的な香料成分をまとめた「香料ミックス」で調べます。ただし、ミックスに含まれていない成分が原因のこともあり、酸化リナロール・酸化リモネンは別に追加して調べないと見つかりません。
原因が分かれば、避けることができます。香料は表示が不十分なぶん、「何を避ければいいか」がはっきりすると生活がぐっと楽になります。
手荒れが長引いていて、思い当たる原因がない。そういうときは、毎日使っているものの香りを疑ってみてください。
関連記事:パッチテスト-香料ミックス/パッチテスト-ペルーバルサム/(文献紹介5)保護クリームの正しい使い方
【参考文献】
Sukakul T, et al. Fragrance Contact Allergy - A Review Focusing on Patch Testing. Acta Derm Venereol 2024;104:adv40332.
de Groot AC. Fragrances: Contact Allergy and Other Adverse Effects. Dermatitis 2020;31(1):13-35.
Sukakul T, et al. Contact allergy to oxidized linalool and oxidized limonene: Patch testing in consecutive patients with dermatitis. Contact Dermatitis 2022;86(1):15-24.
Attasuriyanan M, et al. Occupational allergic contact dermatitis in Thai spa therapists. Contact Dermatitis 2019;81(4):299-300.

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