あつかうもの別:エポキシ樹脂・接着剤
- natsuko-saito
- 12 分前
- 読了時間: 2分
エポキシ樹脂は、職業性のかぶれの原因としてとても重要な物質です。2液を混ぜて固める接着剤、塗料、床材、電子部品の封止材、そして風力発電の羽根や船体に使われるFRPなど、用途は非常に広い範囲にわたります。
【固まる前が危険です】
エポキシ樹脂は、主剤(樹脂そのもの)と硬化剤(アミン類など)を混ぜて使います。
かぶれの原因になるのは、この混ぜてから固まりきるまでの状態です。主剤も硬化剤も、どちらも原因になります。完全に硬化してしまえば、通常は問題になりません。
逆にいえば、硬化が不十分な製品や、作業中に手や工具についた未硬化の樹脂が、繰り返し皮膚に触れることが問題になります。
【手だけでなく、顔やまぶたにも出ます】
エポキシのかぶれの特徴のひとつが、顔やまぶたに症状が出ることです。
樹脂の細かい粒子や蒸気が空気中に漂い、それが皮膚につくためです。手袋をしていても防げません。作業場の換気や、作業そのものを囲い込む対策が必要になります。
もうひとつ厄介なのが、工具・ドアノブ・スイッチなどを介して、樹脂が作業場のあちこちに広がってしまうことです。自分は直接扱っていないのに症状が出る人がいるのは、このためです。
【手袋の選び方に注意が必要です】
エポキシに対しては、手袋の素材選びがとくに重要です。
・使い捨てのニトリル手袋は、短時間なら使えますが、長時間の作業には向きません
・ラテックス手袋やビニル手袋は適しません
・しっかり防ぐには、樹脂用のラミネート手袋などが必要です
そして、汚れた手袋を使い続けないこと。手袋の外側についた樹脂が、脱ぐときに手につけば意味がありません。
【一度かぶれると、ごく微量でも反応します】
エポキシのアレルギーは、いったん成立すると非常に低い濃度でも症状が出るようになります。同じ職場で働き続けることが難しくなる場合もあります。
だからこそ、症状が軽いうちに原因をはっきりさせることが大切です。パッチテストでは、通常のセットに加えてエポキシ専用のシリーズを使わないと見逃されることがあります。
関連記事:(文献紹介9)風力発電の工場で起きたエポキシ樹脂のかぶれ/扱うもの別-手袋
【参考文献】
Pinheiro V, et al. Skin Sensitisation and Dermatitis Among Epoxy-Exposed Workers in a Wind Turbine Plant: Influence of Occupational Factors. Contact Dermatitis 2026;95(1):65-73.
Clynick M, et al. New causes of occupational allergic contact dermatitis. Curr Opin Allergy Clin Immunol 2024;24(2):51-57.
Yamamoto S, et al. Airborne contact dermatitis to epoxy resin for creating herbarium. Contact Dermatitis 2023;88(3):240-241.
Macan J, et al. Independent contact allergy to bisphenol F epoxy resin: A case report. Contact Dermatitis 2020;82(1):70-71.



コメント